『おじいさんは山へ金儲けに』

絵本の絵本たる所以

妊娠7ヶ月の妻の胎教のために買った絵本が『しろいうさぎとくろいうさぎ』である。

 

絵も綺麗で切れ味のある単純明快なストーリーだ。何度か妻のお腹へ向けて読んでいたのだが流石に飽きてくる。大人になって絵本など読んだことが無かったのであまりにも短い話と少ない文字数に慣れることが出来ない。

この4ヶ月ほど後のことだが息子が無事に生まれてまだ妻の実家にお世話になっている頃である。まとめて絵本を10冊ほど購入する。その後も月に2冊のペースで絵本を新しく増やしている。今でも息子の毎晩の入浴前に絵本を読んでいる。

これだけ絵本を読むと絵本の絵本であることの宿命の片鱗にちょっとだけ触れた気分になる。0歳児向けの絵本などは絵しかないケースもある。しかしまだ妻のお腹に向けて胎教がてらと暇なときに読んでいるだけである。この頃の私には本物の絵本がまだ退屈だった。

『おじいさんは山へ金儲けに』

そこで私が本棚から引っ張り出してきた本が『おじいさんは山へ金儲けに』である。

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この頃はそもそも絵本と昔話の違いも良く分かっていなかったのである。この本ならもともと教訓めいた昔話が投資という観点から昇華されているので胎教の効果も抜群である。と私は思ったのだった。

とりあえず何話かを妻のお腹に向けて読んでみる。桃太郎が不良に育ったり浦島太郎が大成功したりというストーリーである。オーソドックスなバージョンとは違う展開に妻が何らかの違和感を覚えたようである。結局、妻にやめてーと言われて息子への投資教育は早々に終了したのだった。

最近では小さな頃からプログラミングの勉強をさせたり、英語も小学校からスタートである。早めに投資のリターンとリスクを学ばせるために子供にこの本を読むのも良いかと思ったのだが、結構露骨な性描写もあるので一旦親が読んでみてストーリーを選んでからの方が良さそうだ・・・。

この本では浦島太郎が竜宮城のウハウハ体験で学んだことは

人生は楽しむためにある

ということになっている。


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