生命の動き
妊娠中の妻のお腹を初めて触ったときのことである。最近、胎児がお腹を蹴り始めたというので妻のお腹を触らせて貰ったのである。膨らんだお腹の指定された辺りを恐る恐る触ってみる。触り始めてすぐに
「ポコっ」とお腹が動いたのである。
妻と私でそのタイミングの良さに顔を見合わせて驚き、私はその微妙でありつつも全く機械的でない生命感溢れる動きに感動したのだった。
エゾシカ的胎動
初タッチでいきなり赤ちゃんが動いたことに私は大感動だった。まさに息子の最高のパフォーマンスだった。偶然なのか父親を感じたのかどちらにせよ勘やらタイミングに恵まれた息子だと私は有頂天になって喜んでいた。
しかし出産直前になると妻はお腹を蹴られるのが日常茶飯事になる。それも昼夜を問わず元気いっぱいに蹴るので妻は痛いのと夜は眠れないので困っていた。出産予定日が近づくと陣痛なのか胎動なのかも分からなくて困るという元気良さだったのである。
野生のシカに遭遇するのを楽しみにして北海道に渡ってようやく初めて鹿を見たときは大感動する。疾走しているシカを一瞬大きな犬だと認識してしまうほどの想定外だった。しかし北海道に数日間滞在している間にシカはそこら中にいることに気付く。街中をブラブラしている個体もいるほどである。今回の胎動を例えるならこんな感じである。ちょっと違うか・・・